阿兄おあにい)” の例文
継子さんの阿兄おあにいさんはうれしさうにわたくしどもを迎へてくれました。阿兄さんは不二雄ふじおさんとおっしやるのでございます。
「それでも怪我がなくってよかった。なに、あの金が今要るという訳でもないんだから心配するには及びません。阿兄おあにいさんもわざわざ御苦労さまでございました」
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
継子さんの阿兄おあにいさんは陸軍中尉で、奉天ほうてんの戦ひで負傷して、しばらく野戦病院に這入はいつてゐたのですが、それから内地へ後送されて、はりしばらく入院してゐましたが
水沢継子さんの阿兄おあにいさん——継子さんもそう云つてゐますし、わたくし共も矢はりさう云つてゐましたけれど、実はほんたうのあにさんではない、継子さんとは従兄妹いとこ同士で