“閼伽桶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あかおけ80.0%
あかをけ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おまんらは細道づたいに、閼伽桶あかおけをさげ、花を手にし、あるいは煙の立つ線香をささげなどして、次第に墓地へ集まりつつあった。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
寺男が閼伽桶あかおけと線香とをもってきて、墓のこけはらっている間、私たちは墓から数歩退いて、あらためて墓地全体をみやった。
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
「いたさうと思ひましたが、よく知つて居るからと仰しやつて、閼伽桶あかをけへ水だけ汲んで差上げました」
姿ばかりは墨染にして、君が行末をけはしき山路に思ひくらべつ、溪間たにまの泉を閼伽桶あかをけに汲取りて立ち歸る瀧口入道、庵の中を見れば、維盛卿も重景も、何處に行きしか、影もなし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)