閼伽桶あかをけ)” の例文
「いたさうと思ひましたが、よく知つて居るからと仰しやつて、閼伽桶あかをけへ水だけ汲んで差上げました」
姿ばかりは墨染にして、君が行末をけはしき山路に思ひくらべつ、溪間たにまの泉を閼伽桶あかをけに汲取りて立ち歸る瀧口入道、庵の中を見れば、維盛卿も重景も、何處に行きしか、影もなし。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)