長濤うねり)” の例文
ヴィデも、長濤うねりに阻まれて、照尺を決めることが出来ない。なにしろ、相手は一点の灯、こちらは、闇にうっすらと浮く巨館のような船体である。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
が、まだまだ長濤うねりが高く、一同死んだようになって、ただゴロゴロと水浸しの船室に寝そべっていた。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
飛沫しぶきのなかを、消えあるいは点いて……闇の海上をゆく微茫びぼうたる光があった。その頃は、小雨が太まってき長濤うねりがたかく、へさきは水に没して、両舷をしぶきが洗ってゆく。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
少年たちの屈み込んだ場所から二、三百ヤードばかり沖合いの海中に、木函らしい物が一つ波の長濤うねりに乗ってうかんでいるのであった。打ち見たところ、この辺で投げ棄てられた空箱でもないらしい。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そして、たかい、長濤うねりのような波紋が、艇をおどろしくゆすりはじめたのである。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)