長与ながよ)” の例文
馬鹿なことをいっれるな。病気全快の僕の身に薬なんぞるものか。面白くもない。僕は貰わないと云うと、長与ながよわらっ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その晩はそれぎり何の気もつかずに寝てしまった。すると明日あくるひの朝さいが来て枕元にすわるや否や、実はあなたに隠しておりましたが長与ながよさんは先月せんげつ五日いつかくなられました。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
波佐見はさみの中尾山から「くらわんか」や五郎八ごろはち茶碗の破片が沢山出る。古くそこで石焼きの雑器を大量に作ったのである。長与ながよ近在の窯跡から例の染附そめつけ猪口ちょくの断片が沢山出る。
北九州の窯 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
吾々われわれ花見連中れんじゅうは何も大阪の火事に利害を感ずることはないから、焼けても焼けぬでも構わないけれども、長与ながよいって居る。しや長与が焼死やけじにはせぬか。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)