鐘声しょうせい)” の例文
旧字:鐘聲
そもそも海をる者は河を恐れず、大砲を聞く者は鐘声しょうせいに驚かず、感応かんのうの習慣によってしかるものなり。人の心事とその喜憂きゆう栄辱えいじょくとの関係もまたかくのごとし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
一際ひときわ高くただよい来る木犀もくせいの匂と共に、上野の鐘声しょうせいは残暑を払う凉しい夕風に吹き送られ、明放した観潮楼上に唯一人、主人を待つの私を驚かしたのである。