鏡板かがみいた)” の例文
巡査も賛意を表したので、二郎はドアの鏡板かがみいたをトントン叩いて、「叔父さん、叔父さん」と呼んで見た。二三度同じことを繰返したが返事がない。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
天井や鏡板かがみいたについてる画題は、小さくして肱掛椅子ひじかけいすにも施されていた。またその寝台は、コロマンデル製のラック塗りの大きな九枚折り屏風びょうぶで囲まれていた。
赤地の錦で、鏡板かがみいたの松を藻に泳ぐ。……いや、もっと小さい。緋丁斑魚ひめだかだ。緋丁斑魚結構。——おお、さかなは出来た。姉さん、姉さん、いいものを持っているんだね。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白堊岩はくあがんよりも銅の鏡板かがみいたよりも堅い光つたものにしたい望みだ
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
「これはの別の鏡板かがみいたにかかれてありました」