錫箔すずはく)” の例文
あけぼのの色がほのかに東の空を染めて、間もなくその日の最初の太陽の光が、はるかな海面を錫箔すずはくのように輝かせた。
朝のヨット (新字新仮名) / 山川方夫(著)
田中館愛橘たなかだてあいきつ博士が、明治二十年頃米国から日本へ持って来た、最初の蓄音機の吹込レコード、当時は錫箔すずはくを置いた金属板でしたが——それを逆に廻して
ギンネコ号がまきちらしたらしい電波妨害用の金属箔というのは、よく飛行機などが敵の戦闘機に追いかけられたとき空中にまきちらす錫箔すずはくなどをいう。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
エジソンの最初の蓄音機は、音のために生じた膜の振動を、円筒の上にらせん形に刻んだみぞに張り渡した錫箔すずはくの上に印するもので、今から見ればきわめて不完全なものであった。
蓄音機 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
どうやら煙草の錫箔すずはくを丹念にめて、それを丸めて作りあげたものらしかった。いくら煙草ずきの人でも、これだけの大きさの銀玉を作るには少くとも三四年はかかるだろうと思われた。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その後にサムナー・テーンターやグラハム・ベルらの研究によって錫箔すずはくの代わりに蝋管ろうかんを使うようになり、さらにベルリナーの発明などがあって今日のグラモフォーンすなわち平円盤蓄音機ができ
蓄音機 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
真弓は、チョコレートの箱を、子供の手から一旦とりあげたが、不図ふと気付いて、中をあけて検べた。中には、錫箔すずはくに包んだ丸いチョコレートが、たった一個、入っていたばかりだった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
後で考えると、敵はカムフラージュに錫箔すずはく
海野十三敗戦日記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
錫箔すずはくのかべ
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)