重兵衛じゅうべえ)” の例文
うちの長屋に重兵衛じゅうべえさんの家族がいてその長男のくすさんというのが裁判所の書記をつとめていた。その人から英語を教わった。
読書の今昔 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
武家物語の重兵衛じゅうべえの役は、芹川せりかわでなくちゃだめだ、と斎藤氏が言うようになったら、うれしいだろうな。いや、甘い空想にふけっている場合ではない。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
紫紐むらさきひも丹三たんぞう、赤星重兵衛じゅうべえなどと、第二の緑林りょくりんの徒を糾合きゅうごうして、東海に白浪の悪名をほしいままにしたのは、それから彼が二十九歳に刑刀をうけるまでのたん生涯の話で
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
登場人物——重兵衛じゅうべえ太吉たきち。おつや。旅人。巡査。青年甲、乙。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
郷里の家の長屋に重兵衛じゅうべえさんという老人がいて、毎晩晩酌ばんしゃくさかなに近所の子供らをぜんの向かいにすわらせて
化け物の進化 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)