遺言いげん)” の例文
神田から台所町へ、台所町から亀沢町へうつされて、さいわいしおれなかった木である。また山内豊覚が遺言いげんして五百に贈った石燈籠いしどうろうがある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
平生へいぜい水戸学派の諸書を愛読し、就中なかんずく靖献せいけん遺言いげん』を尊奉し、毛利侯よりも「尊攘の大義を確守し……」のかどを以て賞賜しょうしを受けたり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
晩年、彼は多くの詩をつくり和歌随筆などを物しているが、その一著「泥舟遺言いげん」のうちに、以上の事は彼自ら記していることなのである。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
成善は英語を学ばんがために、五月十一日に本所相生町あいおいちょうの共立学舎に通いはじめた。父抽斎は遺言いげんして蘭語を学ばしめようとしたのに、時代の変遷は学ぶべき外国語をうるに至らしめたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
藩祖上杉謙信の遺言いげんだの、聖賢の言葉などもひいて励ますのだった。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黒田長政遺言いげんとかがある。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)