選出えりだ)” の例文
眼鏡を懸けて刀を選出えりだし、座を構え、諸肌脱ぎ、皺腹しわばらつばをなすり、白刃しらは逆手さかてに大音声、「腹を切る、止めまいぞ、邪魔する奴は冥土めいど道連みちづれ、差違えるぞ、さよう心得ろ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大阪に居るうちに毎度人の読損よみそこなうた処か人の読損いそうな処を選出えりだして、そうしてれを私は分らない顔して不審を聞きに行くと、毎度の事で、学者先生と称して居る人が読損うて居るから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)