道具立だうぐだて)” の例文
しかしてすべて此の世界の飽くまで下世話げせわなる感情と生活とは又この世界を構成する格子戸、溝板どぶいた、物干台、木戸口、忍返なぞ云ふ道具立だうぐだてと一致してゐる。
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「まだ、なか/\だ。」と独言ひとりごとのやうにつて、「ちやうさん。あれア𢌞まはりの拍子木ひやうしぎつて道具立だうぐだて出来上できあがツたつて事を、役者の部屋のはうへ知らせる合図あひづなんだ。までにやアまだ、なか/\よ。」
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)