道中みちなか)” の例文
追ひかけて見たりしがふと死したる者なりと心付き、夜明まで道中みちなかに立ちて考へ、朝になりて帰りたり。その後久しく煩ひたりといへり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)
其處からもう一度芝口一丁目へ引返して來ると、金六は道中みちなかで若い男を一人つかまへて何やら話し込んで居ります。
余りいて歩行あるいたのがやましかったか、道中みちなかへ荷を下ろして、首をそらし、口を張って
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
追いかけて見たりしがふと死したる者なりしと心づき、夜明けまで道中みちなかに立ちて考え、朝になりて帰りたり。その後久しくわずらいたりといえり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
これも風呂敷包を中結なかゆわえして西行背負さいぎょうじょいに背負っていたが、道中みちなかへ、弱々と出て来たので、横に引張合ひっぱりあった杖が、一方通せん坊になって、道程標みちしるべの辻の処で、教授は足を留めて前へ通した。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)