)” の例文
家持は、此が多聞天タモンテンか、と心に問ひかけて居た。だがどうも、さうは思はれぬ。同じ、かたどつて作るなら、とつい聯想がれて行く。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
併しさうすると、此一幕物は「入札」に自らを択んだ老旦の出し物となるのであらう。私どもは延若の扮した老乾児の為に泣かうとする情をらすのに容易でなかつた。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
同じ、かたどつて作るなら、とつい聯想がれて行く。八年前、越中國から歸つた當座の、世の中の豐かな騷ぎが、思ひ出された。あれからすぐ、大佛開眼カイゲン供養が行はれたのであつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)