“逸民”の読み方と例文
読み方割合
いつみん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
要するに主人も寒月も迷亭も太平たいへい逸民いつみんで、彼等は糸瓜へちまのごとく風に吹かれて超然とすまし切っているようなものの、その実はやはり娑婆気しゃばけもあり慾気よくけもある。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
本をひろげて見たり、い加減な文章を書いて見たり、それにも飽きると出たらめな俳句を作つて見たり——要するにまあ太平の逸民いつみんらしく、のんべんだらりと日を暮してゐたのである。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それをわれわれは自分たちと全然縁のない昔の逸民いつみんの空想だと思っていた。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)