追放ついほう)” の例文
右のような次第しだいだから、実を言えば、百合の字面を日本のユリからは追放ついほうすべきもので、ユリの名はその語原がまったく不明である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
まさか、お追放ついほうとはゆかないけれど、獄門ごくもんのところを遠島えんとうぐらいにはなるのは御定法ごじょうほうとされている。——つまらない眼にったのはおまえさんさ。
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、むかしからの習慣しゅうかんに従って裁判さいばんをうけました。大運動会の日に平和をみだしたものは、追放ついほうされるのです。どのキツネも、けいかるくしてやってくれとは言いません。
「……汝の願いは、今やとげられた。汝の子の肉体から、のろわれたる霊魂は追放ついほうせられ、汝の子の霊魂がそれにかわって入り、すべて元のとおりになった。これで汝は満足したはずである。さらば……」
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
手下のものまで追放ついほうになりました
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)