身長みたけ)” の例文
身長みたけ高く肉附きよく、腰もピーンと延びている。永らく欧羅巴ヨーロッパに住んでいたが、最近帰朝した日本人——と云ったようなおもかげがある。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
若しかして溝が身長みたけよりも深いとなると、アノ人の事だから、其溝の中を大跨に歩くかも知れない。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
が、最後に、ひとり離れて身長みたけほどもあるあしを分けていた一警官が、偶然、草むらの水上に隠れている古いボウトを発見した。子供は、寝かされてでもいるのか、見えなかった。
チャアリイは何処にいる (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
どこともなくするどきところありて。いわゆる岩下のいなずまともいわまほし。口はむしろ小さすぎたるほどなるに。いささか八の字のひげをたくわえたり。身長みたけは人並みすぐれたるが。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
女の方は日本人で、これも身長みたけは高かったが、肉附は大変悪かった。しかし容貌は美しかった。ただに美しいというよりも、夫れは無類に蠱惑的であった。
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と見ると往来には人気ひとけなく、あおあおと光がみなぎっている。月光の中に立っているのは、白木綿しらゆうのような真っ白の人物。余りに身長みたけが高いので、仰ぎ見なければならなかった。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
身長みたけすぐれて高くはあるが枯木のように水気がなく動くたびに骨が鳴りそうである。
日置流系図 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)