身繕みづくろい)” の例文
お神さんは落着き払って、何か身繕みづくろいをしましたが、呪文のようなことを唱えて、その釘だの縄だのを、ばらばらと私の体へ投附けますじゃありませんか。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
黙っていれば悟られずに、行き抜ける便たよりもあるに、隠そうとする身繕みづくろい、名繕、さては素性すじょう繕に、うたがいひとみ征矢そやはてっきりまとと集りやすい。繕はほころびるを持前とする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
闇の中で男の身繕みづくろいが際立ってザワついた。声がもつれて慄えている。
反逆 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)