蹌踉よろぼ)” の例文
小指のきず痛苦いたみはげしく、心ばかりははやれども、足蹌踉よろぼいて腰たず、気さえ漸次しだいに遠くなりつ、前後も知らでいたりけるを、得三に見出されて
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして二三年前飄然と病み衰へた身躰からだ蹌踉よろぼはせてまた村に歸つて來て、そして臺灣で知合になつたとかいふ四國者の何とかいうつんぼの老爺を連れて來て
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
多くの草刈夥間なかま驟雨ゆうだち狼狽ろうばいして、蟻のごとく走り去りしに、かれ一人老体の疲労はげしく、足蹌踉よろぼいて避け得ざりしなり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)