蹈外ふみはず)” の例文
「そうだ!」と自分はひざった時、頭から水を浴たよう。がけ蹈外ふみはずそうとした刹那せつなの心持。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
お藤は逃げるも真暗まっくらがり、思わず崖を蹈外ふみはずしてガラ/″\/″\と五六丈もある山田川の渦巻立った谷川へ、のお藤は真逆まっさかさまに落ちましたが、これは何様どんな者でも身体が微塵みじんに砕けます。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
欺いて連れ出しましたお藤と云うの婦人を、皀莢滝の谷間たにあいへ追込みましたので、お藤は勝手は知らず、足を蹈外ふみはずして真逆まっさかさまに落ちましたが、御案内の通りの折田の谷は余程深うございまして
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)