越子こしこ)” の例文
それと同時にこれも売出しの若手に越子こしこは藤の花、やはり男髷の小土佐ことさは桃の花と呼ばれ、互にけんを競い人気を争った。学生の仲間にも贔屓ひいきがつくる各党派があった。
竹本綾之助 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
桜の花と呼ばれた娘義太夫の竹本綾之助たけもとあやのすけや、藤の花の越子こしこや、桃の花の小土佐こどさが乗っている人力車の、車輪や泥除どろよけに取りついたり、後押あとおしをしたりして、懸持かけもちの席亭せきから席亭へと、御神輿おみこしのように
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)