起上たちあ)” の例文
憎々しげに言いながら起上たちあがって「私はお客様きゃくさんの用で出て来るが、用があるなら待っていておくれ」と台所口から出てって了った。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
平次は猛然と起上たちあがりました、續く八五郎。
富岡老人釣竿つりざお投出なげだしてぬッくと起上たちあがった。屹度きっと三人の方を白眼にらんで「大馬鹿者!」と大声に一喝いっかつした。この物凄ものすごい声が川面かわづらに鳴り響いた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
言うに言われぬ恐怖おそろしさが身内にみなぎってどうしてもそのまま眠ることが出来ないので、思い切って起上たちあがった。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「どうせけた位だからちょっくら帰って来ないだろう。帰りましょう、私も多忙いそがしい身体だからね。お客様に御飯を上げる仕度したくも為なければならんし」と急に起上たちあがって
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「何にあの男だって唯の男サ」と真蔵は起上たちあがりながら「けれども関係かかりあわんが可い」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)