贔屓筋ひいきすじ)” の例文
「うへえ、鳥ぐらいのことは、あっしだって考えますが、その鳥が源内櫛にばかり飛びつくというのはどういうわけです。先生、あなたの贔屓筋ひいきすじというところですか」
平賀源内捕物帳:萩寺の女 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
歌右衛門うたえもんしたって江戸えどくだってから、まだあしかけ三ねんたばかりの松江しょうこうが、贔屓筋ひいきすじといっても、江戸役者えどやくしゃほどのかずがあるわけもなく、まして当地とうちには、当代随とうだいずい一の若女形わかおやまといわれる
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)