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賚
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たまもの
ふりがな文庫
“
賚
(
たまもの
)” の例文
いたく、性命を尊みて、これより、我より、當來より、なに物か、えまほしく、求めてやまず……
噫
(
あゝ
)
、人は、當來に、豐なる
賚
(
たまもの
)
を望む。
あすは、明日は、
(旧字旧仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
窃
(
ひそか
)
に思ふに只蘭軒をして能く
拘儒
(
くじゆ
)
たることを免れしめただけが、即ち此学統のせめてもの
賚
(
たまもの
)
ではなかつただらうか。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さほどに苦しまずしてその意を解することを得たのは今は既に世になき翰の
賚
(
たまもの
)
であると言わねばならない。
梅雨晴
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私は、此等の人々に、ある期間先輩の作風をなぞった後、早く個性の方角を発見して、若きが故の
賚
(
たまもの
)
なる鮮やかな感覚を自由に
迸
(
ほとばし
)
らそう、となぜ努めないのか、と言いたい。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
唯だ富人の手に任せて輕く
投卑
(
とうひ
)
するときは、その
賚
(
たまもの
)
は貧人心上の重荷となるを
奈何
(
いかに
)
せん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
彼等は愛の刑と愛の
賚
(
たまもの
)
とを同時に
享
(
う
)
けて、同時に双方を切実に味わった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
医を蘭軒に学んで、福山に於て医学世話を命ぜられたのである。わたくしの此証左を得たのは浜野氏の
賚
(
たまもの
)
である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼等は愛の
刑
(
けい
)
と愛の
賚
(
たまもの
)
とを同時に
享
(
う
)
けて、同時に双方を切実に味はつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その代り生き戻り
損
(
そこな
)
う危険も
伴
(
ともな
)
っていないから、心配のあるもの、
煩悶
(
はんもん
)
の多いもの、苦痛に
堪
(
た
)
えぬもの、ことに自滅の一着として、生きながら坑夫になるものに取っては、至大なる自然の
賚
(
たまもの
)
である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
最後にこの経験をもっとも公明に解剖して、解剖したる一々を、一々に批判し去る能力がなかったなら——ありがたい事に自分はこの至大なる
賚
(
たまもの
)
を
有
(
も
)
っている、——すべてこれらがなかったならば
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
賚
漢検1級
部首:⾙
15画
“賚”を含む語句
恩賚
上帝賚殊命
字大賚
政賚
札賚特