“諒承（りょうしょう）” の例文
尚その命令書には『追（おっ）テ後日（ごじつ）何等カノ命令アルマデハ本件ニ関シ総指揮官部へ報告ニ及バズ』と但書（ただしがき）を書くから、予め諒承（りょうしょう）ありたい
独本土上陸作戦：――金博士シリーズ・３―― (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
欧州の情勢平穏となる（二十一語不明）四国島のこと諒承（りょうしょう）、総督府はその地のことに暫定すべし、地理測量のため人員派遣す、十二月初旬
風流太平記 (新字新仮名) ／ 山本周五郎(著)
木村ハ内心ハナハダシク興奮シテイタニ違イナイガ、「ハア」ト云ッテ努メテ無表情ヲ装ッテ、諒承（りょうしょう）シテ去ッタ。………
鍵 (新字新仮名) ／ 谷崎潤一郎(著)
あえて翁を相手に戦うのでないことだけは翁においても諒承（りょうしょう）されたい。
素人製陶本窯を築くべからず：――製陶上についてかつて前山久吉さんを激怒せしめた私のあやまち―― (新字新仮名) ／ 北大路魯山人(著)
「貴船の申入れを大たい諒承（りょうしょう）した。くわしい返事は、水夫竹見を通じて申入れるから、しばらくまたれよ」
火薬船 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
と、そう云ってやったのであったが、辰雄は他意なくそれを読んだと見え、それから四五日後に訳の分った回答を寄せた。———御丁寧なお手紙を拝誦（はいしょう）してお心持はよく諒承（りょうしょう）した。
細雪：03 下巻 (新字新仮名) ／ 谷崎潤一郎(著)
こう云う急な話になったことを悪（あ）しからず御諒承（りょうしょう）願いたい、そして何卒（どうぞ）、こいさんも、悦子お嬢さんも、なるべく皆さんがお揃（そろ）いでお出で下さるように、と云う口上なのであったが
細雪：03 下巻 (新字新仮名) ／ 谷崎潤一郎(著)