請宿うけやど)” の例文
月末になると請宿うけやどの主人が来て、まことに相済まないがおたけに暇をくれといった。段々聞いてみると、彼女は果して妊娠六ヵ月であった。
二階から (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
人相書だけをたよりにするのは、いかにも心細いので、口入宿の富士屋や、請宿うけやどの若狭屋へ往って、色々問いただしたが、これと云う事実も聞き出されない。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
お手廻りのお世話をさせるために、江戸でお召抱えになったのがそのお藤さんで、当時はそんな邸向の奉公人ばかりを口入くちいれする請宿うけやどがあったのだそうです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
お筆はさらに近所の雇人請宿うけやどへ頼みに行ったが、右から左には思わしい奉公口も見いだせないらしく、二月の末まで溝口家にとどまっていた。
有喜世新聞の話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その頃のことですから雇人に不足はなくて、請宿うけやどへいってりますと、すぐに人をよこしてくれます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
お筆はさらに近所の雇人請宿うけやどへ頼みに行ったが、右から左には思わしい奉公口も見いだせないらしく、二月の末まで溝口家にとどまっていた。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その一人は知行所の村から奉公に出て來るのが例で、ほかの一人は江戸の請宿うけやどから隨意に雇つてゐることが判つた。請宿は音羽おとわの堺屋といふのが代々の出入りであつた。
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
その一人は知行所の村から奉公に出て来るのが例で、ほかの一人は江戸の請宿うけやどから随意に雇っていることが判った。請宿は音羽おとわの堺屋というのが代々の出入りであった。
半七捕物帳:01 お文の魂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)