誤間化ごまか)” の例文
前者の時には往々いな多くの場合に教師はよい加減に誤間化ごまかして答えようとする傾きがある。これは甚だよくないことはいうまでもない。
研究的態度の養成 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その本数を事務所で誤間化ごまかして一本三十銭から五十銭で売り出す……ズット以前の取引ですと手頃の柳行李やなぎこうりに一パイ詰めた奴を、どこかの横路次で
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
併し其等は一切無益であった。彼女は歩度を緩めて彼を振向いた。足をめた。最早取返しは付かなくなった。狼狽ろうばいの余りかえっ誤間化ごまかす事が出来なかった。
偽刑事 (新字新仮名) / 川田功(著)
と婆やは、おどおどするかやをお爺さんの前から自分の後にかくしながら、丁度納屋なやの戸から出て来たお媼さんの方へ視線を向けて、誰にとも分らぬ様に誤間化ごまかし笑いをした。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「ずいぶん誤間化ごまかしのような植え方ね」
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)