詭策きさく)” の例文
麓に小塞しょうさいを築いて、すでに蜀軍が総崩れとなっても、小隊の隊伍を以て、整々とみだれず、よく進退していたため、敵も一時は彼に伏兵やある、なんらかの詭策きさくやある
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それだけに、彼の戦法も、奇襲、詭策きさくもっぱらとし、戦陣は長期を計り、一気に決戦することを好まず、長期出没して、信長を奔命ほんめいにつからすのが目的かのようであった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やはり、案じていたにたがわず、お十夜や天堂の詭策きさくちたのであるか。ウウム……」と
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ましてや、一代の英君と仰いでいた義伝公を、徳川家の詭策きさくに害せられた阿波のうらみというものは、弓取の子孫は無論、半農半武家の原士はらしきもにも銘じ、野に働く藍取あいとうたにも現れたろう。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
詭策きさく鬼謀は、兵家のあいだに、実に目まぐるしいほど、やり取りされていた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(彼の詭策きさく
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)