要目かなめ)” の例文
にはを見ると、生垣いけがき要目かなめいたゞきに、まだ薄明うすあかるい日足ひあしがうろついてゐた。代助はそとのぞきながら、是から三十分のうちに行くさきめやうと考へた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
乃公おれ先刻さっきからつい半間とは離れぬ処にいるんだぞ。今日は乃公が死にかけたので、只今見舞人が罷越まかりこしたのであるが、肝腎要目かなめの御当人の姿が見えないので、お母さんが探しに来たのである。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
庭を見ると、生垣の要目かなめいただきに、まだ薄明るい日足がうろついていた。代助は外をのぞきながら、これから三十分のうちに行く先を極めようと考えた。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先生のいへは門を這入ると、左り手がすぐ庭で、木戸をあければ玄関へかゝらずに、すぐ座敷の縁へ出られる。三四郎は要目かなめ垣のあひだに見えるさんはづさうとして、ふと、庭のなかの話し声を耳にした。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)