要旨ようし)” の例文
トロ族の委員長らしい魚人は、はっきりと要旨ようしをのべた。他の魚人たちは、頭を僕の方へつきだして、今にもとびつきそうな恰好である。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
井戸を掘って水が出る以上、地面の下は水でなければならない、地面の下が水である以上、地面はおっこちなければならない。しかるに地面はなぜ落こちないか。これが彼の要旨ようしであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
官兵衛が胸中の一端を吐いた以上のことばも、決して一気に述べたものではないが、あいての気色を見たり、杯の頃あいをはかったりして、幾たびかに以上の要旨ようしだけを洩らし得たものであった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
莫迦ばかに「論文エッセイ」を述べたてちまったが、実は、この論文の要旨ようしは、僕の頭の中に浮びあがる以前に、これから話そうという「電気恐怖病患者でんききょうふびょうかんじゃ」の岡安巳太郎おかやすみたろう君が述べたてたものなんで
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「何だ、ぶつぶつ。いったい其方のいおうとしている要旨ようしは、意味は」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その要旨ようし