襤褸片ぼろきれ)” の例文
兩側の狹い淺い溝には、襤褸片ぼろきれ葫蘿蔔にんじん切端きれつぱしなどがユラユラした涅泥ひどろに沈んで、黝黒どすぐろい水に毒茸の樣な濁つた泡が、ブク/\浮んで流れた。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
薬品の陳列棚や戸棚の硝子戸などをはたくのだが、うまい工合に先の襤褸片ぼろきれさばけずに、どうかするとそれを止めてある釘の尖などで、硝子戸をがち/\と叩いたりした。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
褐色のシャツを着た悪者は、小屋の方へ行ったがやがて襤褸片ぼろきれで刃をぐるぐると巻き附けた大きなまさかりを持ち出して来た。黒い襤褸には何だかなまぐさい血の染みが附着しているようだ。
捕われ人 (新字新仮名) / 小川未明(著)