裏崖うらがけ)” の例文
ちょうど、北関きたせき裏崖うらがけへ、誰も知らぬ銀の小鳩が下りた頃。その、蝉丸のようにせた老禰宜ねぎが、社家しゃけの一隅に、わびしい晩飯のぜんをすえて、はしをとっていると
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひツそとなりて、堂の裏崖うらがけをさかさに落つる滝の音どうどうと松杉まつすぎこずえゆふ風に鳴り渡る。かすかに
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)