裂罅ひび)” の例文
そして、中途にある、十二宮の円華窓えんげまどに細工して、あの楽玻璃グラス・ハーモニカめいた、裂罅ひびふさいでしまったのだよ
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
たうとう薄い鋼の空に、ピチリと裂罅ひびがはひつて、まつ二つに開き、その裂け目から、あやしい長い腕がたくさんぶら下つて、からすつかんで空の天井の向ふ側へ持つて行かうとします。
烏の北斗七星 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
生木なまきくわん裂罅ひびる夏の空気のなやましさ。
心の姿の研究 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
とうとううすい鋼の空に、ピチリと裂罅ひびがはいって、まっ二つに開き、そのけ目から、あやしい長いうでがたくさんぶら下って、烏をつかんで空の天井てんじょうの向う側へ持って行こうとします。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
生木なまきひつぎ裂罅ひびの入る夏の空気のなやましさ。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一ひら白い裂罅ひびのあと……
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)