被来いらつしや)” の例文
旧字:被來
『この次に。』と智恵子は沈着おちついた声で言つて、『貴女も早くお帰りなすつたがいわ。お客様が被来いらつしやつたぢやありませんか。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『怎うもしないのに!』と自分に弁疏いひわけして見る傍から、「屹度加藤さんでお午餐ひるが出て、それから被来いらつしやる。」といふ考へが浮ぶ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
其麽そんな誰方どなたから習つて? ホホヽヽ、マア何といふ呆然ぼんやりした顔! お顔を洗つて被来いらつしやいな。』と言ひ乍ら、遠慮なく座つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)