オモテ)” の例文
其に対して、元のものをオモテ舞ひといふ。中央から西にかけて、古い芸を留めてゐるものが、もどきを持つてゐるのと同じだ。
根子の番楽・金砂の田楽 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「やあれ暑ッ。——オモテの掛軸を好い加減に換へとけよ。何時も俺が言はないとしないが。」
その頃の生活 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
浅間オモテの木の葉や、草の光り、水のせゝらぎ、鳥の飛び立つ翼の音——さう言ふ感覚を漉して来ないでは、ふらんすの王朝文学を、そつくりうけとることの出来ない訣があつたのだらう。
『かげろふの日記』解説 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)