『かげろふの日記』解説『かげろうのにっき』かいせつ
堀君一 唐松の遅き芽ぶきの上を 夏時雨はるかに過ぎて—— 黄にけぶる山の入り日 堀君二 冬いまだ寝雪いたらず しづかに澄む水音。 君ねむる。五分十分——。 ほのかなるけはひののちに、 おのづから眶をひらく。 日のあたる明り障子 たゞ白じろと …