表梯子おもてばしご)” の例文
お梅が幾たび声をかけても、平田はなお見返らないで、廊下の突当りの角を表梯子おもてばしごの方へ曲ろうとした時、「どこへおいでなさるの。こッちですよ」と、声をかけたのは小万だ。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
表梯子おもてばしごの方から蝶子ちょうこという三十越したでっぷりした大年増おおどしま拾円じゅうえん紙幣を手にして、「お会計を願います。」と帳場の前へ立ち、壁の鏡にうつる自分の姿を見て半襟はんえりを合せ直しながら
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
すると、表梯子おもてばしごの下の大土間へ、また一名の同心が入って来て
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)