血潵ちしぶき)” の例文
時次郎はとっくけんし、「うむ、心臓むね小刀ナイフが。……」言懸けて照子をれば、まなじり釣って顔色あおく、唇はわななけり。召したる薄色の羽織の片袖血潵ちしぶきを浴びてくれないしずく滴る。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)