蚊帳釣草かやつりぐさ)” の例文
蚊帳釣草かやつりぐさ」の穂の練絹ねりぎぬの如くに細く美しき、「猫じゃらし」の穂の毛よりも柔き、さては「あかまま」の花の暖そうに薄赤き、「車前草おおばこ」の花のさわやか蒼白あおじろ
二人のおんなが、その姿で、沓脱くつぬぎささを擦るつまはずれ尋常に、前の浅芽生あさぢうに出た空には、銀河あまのがわさっと流れて、草が青う浮出しそうな月でしょう——蚊帳釣草かやつりぐさにも、たでの葉にも、萌黄もえぎあい
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)