蘭若てら)” の例文
此の里の二七上の山に一宇の二八蘭若てらの侍る。もと二九小山氏の三〇菩提院ぼだいゐんにて、代々よよとこの住み給ふなり。
庄司も妻もおもてを青くして嘆きまどひ、こはいかにすべき。ここに都の三二八鞍馬寺くらまでらの僧の、年々熊野くまのに詣づるが、きのふより此の三二九向岳むかつを三三〇蘭若てらに宿りたり。
今は三七二老いてむろにも出でずと聞けど、我が為には三七三いかにもいかにも捨て給はじとて、馬にていそぎ出でたちぬ。道はるかなれば夜なかばかりに蘭若てらに到る。