蘭書らんしょ)” の例文
弟の、土肥八十三郎は、近頃、しきりと、ご禁制の蘭書らんしょを、耽読たんどくしている。のみならず、上方あたりから、しばしば、飛脚がくる。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蘭書らんしょだ」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
幕士には禁制の蘭書らんしょを机の下へかくして、父の眼をぬすんでは読みふけっている八十三郎だった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
狼藉ろうぜきにとり散らされた反古ほごを踏みつけて、腕にも、反古の綴物とじものや、手紙や、蘭書らんしょらしい本などを、一抱ひとかかえほどもかかえている眼の鋭い与力風の男と、一人の町人とが、手に蝋燭を持って
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)