藤房ふじふさ)” の例文
笠置からわずか三日路たらずの道も、千里潜行ともいえる辛苦をなめて来たであろう藤房ふじふさ
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
並木なみきの松もここには始皇をなぐさめえずして、ひとりだちの椎はいたずらに藤房ふじふさのかなしみに似たり。隧道トンネルに一やすみす。この時またみちのりを問うに、さきの答は五十町一里なりけり。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
万里小路までのこうじ中納言藤房ふじふさ卿が、数年前に建てた館で、山屋敷の一つであったが、この裏山が魑魅魍魎ちみもうりょう——流浪人や猟師や山賊や乞食、そういうものの巣窟となって美しい風景をけがし出して以来
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
万里小路宣房までのこうじのぶふさ藤房ふじふさ
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)