薬代やくだい)” の例文
旧字:藥代
「とんだ高い薬代やくだいだの。」と、おばあさんはいって、なぜかみょうに、あたまをふりました。
薬代やくだいはさしてかからなかったが、幾らかでも精のつくように卵とか鳥などを与えたいと思うので、毎日買い物をできるだけ詰めても、佐野正への借りが少しずつ殖えていった。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
たいしたものだ、いまだに貴方あなたのお暮しの話をして居りますが、あの時わっちア道楽のばちかさをかいて、医者も見放し、棟梁の処に雑用がたまり、薬代やくだいも払えず、何うしたらよかろうと思ってると
病気の薬代やくだいにでもする積りで此方こっちに持ち掛けたのを幸いに、己もそうとは知りながら、ツイ男のいじきたな、手を出したのは此方のあやまりだから、何も云わずに千疋を出し、別段餞別はなむけにしようと思い