薄穢うすぎた)” の例文
袋のかどが裂けてるのは仕方がないが、何だか薄穢うすぎたなくあかづいた上に、びしゃりと押しつぶされて、中にある煙草がかたまって、一本になってるように思われる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ここで一休みしようとまず軒をれば、こはそもいかに、白髪しらがの形相恐ろしきママ薄穢うすぎたないあかだらけの着物を引摺ってノソノソ出かけて来て、汚れた茶椀へ茶をんで出す。
「寄るじゃアないよ、薄穢うすぎたねえ」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)