“薄樺色”の読み方と例文
読み方割合
うすかばいろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
残らず、薄樺色うすかばいろの笠をさかさに、白い軸を立てて、真中まんなかごろのが、じいじい音を立てると、……青いさびが茸の声のように浮いて動く。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ほとんど土の色とまがう位、薄樺色うすかばいろで、見ると、柔かそうに湿しめりを帯びた、小さな葉がかさなり合って生えている。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
面赭かおあかく、耳あおく、馬ばかりなる大きさのもの、手足に汚れた薄樺色うすかばいろの産毛のようで、房々としてやわらかに長い毛が一面の生いて、人かけだものかを見分かぬが、朦朧もうろうとしてただ霧をつかねて鋳出いだしたよう。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)