蒼海原あおうなばら)” の例文
此処ここよりして見てあれば、織姫おりひめの二人の姿は、菜種なたねの花の中ならず、蒼海原あおうなばらに描かれて、浪にうかぶらん風情ふぜいぞかし。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
このあたりただなだらかな蒼海原あおうなばら、沖へ出たような一面の草をみまわしながら
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
碧水金砂へきすいきんさ、昼のおもむきとは違って、霊山りょうぜんさき突端とっぱな小坪こつぼの浜でおしまわした遠浅とおあさは、暗黒の色を帯び、伊豆の七島も見ゆるという蒼海原あおうなばらは、ささにごりにごって、はてなくおっかぶさったようにうずだかい水面は
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)