“蒼暗”の読み方と例文
読み方割合
あおぐら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
圧えつける様な、うそ寒い空気、遙か頭上に打ち寄せる浪の地響じひびき、ガラス越しの蒼暗あおぐらい世界に蠢く生物共、それは全くこの世のほかの景色でありました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
見上ぐる人はう雲の影を沿うて、蒼暗あおぐら裾野すそのから、藍、紫の深きを稲妻いなずまに縫いつつ、最上の純白に至って、豁然かつぜんとして眼がめる。白きものは明るき世界にすべての乗客をいざなう。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)