葦北あしきた)” の例文
即ち明治天皇陛下が即位式そくいしきを挙げ玉うた年、初めて京都から東京に行幸みゆきあった其月東京を西南にる三百里、薩摩に近い肥後葦北あしきた水俣みなまたと云う村に生れたのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
熊本県の球磨くま葦北あしきた二郡、それからずっと飛んで信州の下高井郡、越後えちご魚沼うおぬま地方、秋田県の仙北郡および岩手県上閉伊かみへい郡の一部に、炉をジロとう方言があるほかに
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
肥後の葦北あしきた郡には山川の岸に泥泪どろめきという地名がある。泪を「メキ」と訓むのは、目木の二合が相の字になるのをさけて、しかも泪が涙であることを知らなかったのである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私は九州肥後の葦北あしきた水俣みなまたという海村に生れ、熊本で成長し、伊予の今治、京都と転々てんてんして、二十二歳で東京に出で、妻は同じ肥後の菊池郡隈府わいふという山の町に生れ、熊本に移り、東京に出で
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
熊本県の葦北あしきた郡でも、今は籾殻のことをシラというがこれも最初はやや実のあるものまで、包括していたことは疑われぬのである。中国では岡山地方に、イタジイラという語がある。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
肥後葦北あしきた水俣みなまた村大字袋
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)