“落去”の読み方と例文
読み方割合
らっきょ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「兄上、城中の兵には、なんと触れおきましょう。笠置は落ち、ここの天皇御名代の宮までが、ご落去らっきょとわかったら、いかに股肱ここうの兵でも、はや戦う気にもなれますまい」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甲斐の武田氏に蚕食さんしょくされ、上田原の戦をさいごとして、本城は落去らっきょ、一族は離散、夫人は千曲川に身を投じて果てるなどという、世が静かなら有り得ない惨たる滅亡を告げてしまった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寇州こうしゅうの地方より頻々ひんぴんたる早馬や落去らっきょの地方吏が門を打ち叩き、梁山泊の賊徒のために、州城は蹂躪じゅうりんされ、国財もことごとく奪われ、あまつさえ州の奉行高廉こうれん虐殺ぎゃくさつされたとのらせにござりまして
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)