萵苣ちさ)” の例文
火山湖のつめたいあぶらがかれの脊髄の川に沿うて流れる。罪障消滅のために。最も文学的なる萵苣ちさのメンス。どれ舌を出してお見せ!
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
料理は小鳥のあぶりものに萵苣ちさのサラダが出ていた。それを食ってしまって、ヴェランダへ出て珈琲コオフィイを飲んだ。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
村のあちこちに紅殼塗べにがらぬりの小屋が急にたち、萵苣ちさやキャベツなどの畑ができ、又、その近くに牛や羊の飼はれてゐる牧柵などができてゆくのを、何か目をみはるやうな驚きと
ふるさとびと (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
花椰菜はなやさい、千日大根、萵苣ちさ、白菜、パセリ、人蔘にんじん、穀物、豆類。海産物でははしりこんぶ、まだら、すけとうだら、からふとます、まぐろかぜ(雲丹うに)、それから花折はなおり昆布などが目についた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
山萵苣やまちさは食用にする萵苣ちさで、山に生えるのを山萵苣といったものであろう。エゴの木だという説もあるが、白露おくという草に寄せた歌だから、大体食用の萵苣と解釈していいようである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その村ではじめて萵苣ちさやキャベツをつくつた畑の跡だといふことです。
匈奴の森など (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)